2012年08月12日

〈イベント報告〉 8/4(土) 大学図書館問題研究会全国大会@京都「『本棚の中のニッポン』で伝えきれなかったいくつかのこと--日本資料と海外の大学・研究図書館--」


 去る8/4、大学図書館問題研究会の全国大会@京都でプレゼンさせていただきました。

大学図書館問題研究会全国大会@京都
「『本棚の中のニッポン』で 伝えきれなかったいくつかのこと--日本資料と海外の大学・研究図書館--」
日時: 2012年8月4日(土) 14:00ごろから
場所: コミュニティ嵯峨野
URL: https://sites.google.com/site/dtk2012kyoto/home/program

 当日の様子の詳細は下記にて。

●egamiday3「プレゼンの記録と反省 或いは メモ:大図研@京都2012・その1」
 http://egamiday3.seesaa.net/article/285493491.html

●Togetter「#本棚の中のニッポン で伝えきれなかったいくつかのこと 大図研京都 #dtk43 (2012.8.4)」
 http://togetter.com/li/351793

 当日はおそらく100人を超える図書館関係者の方にお聞きいただいて、ありがとうございました。コミュニケーション・シートとして感想・質問もたくさんいただいていますので、追々このブログで紹介していきたいと思います。

【関連する記事】
posted by jbsblog at 12:05| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年08月01日

『本棚の中のニッポン』読書ナビ

 
 『本棚の中のニッポン』について、まだ読んでない方、これから読む方は、こういうふうに読んでみたらいいかもですよ、という案内。
 (「読まなくてもわかる『本棚の中のニッポン』」@ku-librariansでのプレゼン再録です。)


1.「立ち読みでいいや(テヘっ☆)」という方
 超短時間で、立ち読みでさくっと終われるくらいのマッハの速度で読んで、本書の表層をざっくりと知れればそれでいいかな、というくらいの方は。
 ・序章
 ・第1章
 ・第5章
 何のことを言ってる本なのかと、それ言って何になるんだということ、それと、その話題をとりまく世界観的なものと現状がざっくりとわかります。
 なので、これだけ読んでればなんとかなります。いやもう、ここだけ抜き出してネットにupしといてもいいくらい。早ければ10分くらいで終わるんじゃないでしょうか。

2.「『読みましたよ!』って話を合わせたい」レベルの方
 読んでもいいんだけど、あんま時間ないし、時間とれないし、でもせっかくだからたとえば江上に会ったときに「あの本読みましたよ」って言って、まあまあそこそこ程度に話を合わせられるようにしておきたいんだけど、ていうくらいの方は。
 ・序章
 ・第1章
 ・第5章
 に加えて
 ・第2・3・11章あたりを流し読み・つまみぐい
 この本の主題と世界観に加え、具体的な固有名詞と事例が登場しますので、個々の機関・組織の様子がうかがえる、という感じになります。全部の事例を拾う必要はなくて、ちょいちょいのぞく感じでいいんじゃないかと思います。
 これくらいであれば、うんまあ、もうこの本を読んだことになる、と言っちゃってもいい感じです。

3.「なんだ、この程度か。読み足りんな・・・」とおっしゃる方 
なんと、そんなふうに思っていただけるとは、ありがたい限りです。
 そういう方のために、各章・節で《参考文献》が挙げられているのですが、そのうちのいくつかに”解題”を付けておきました。それを読めばどういうことが書いてあって何がわかりますよ、ということを、まあ自分なりにというレベルでしかありませんが案内しています。ぜひ本書で完結することなく、広くあちこちへつながっていってほしい、と願っている感じです。

4.「こんなんじゃダメだ、もっとちゃんと勉強したい!」ですって!?
 でしたらぜひ、直接触れにいってください。
 本書で紹介している、eastlib(海外の東アジア研究分野のライブラリアンが参加しているML)やH-Japan(海外の日本研究の研究者・学生・専門家などが参加しているML)に実際に参加して、読むだけでなく投稿もしてみるとか。NCC(北米の日本研究ライブラリアンのコミュニティ)やEAJRS(ヨーロッパの日本資料専門家・ライブラリアンのコミュニティ)のニュースレターやwebサイトをチェックして現在の活動をごらんになるとか。CEAL(北米の東アジア研究分野のライブラリアンによるコミュニティ)の機関誌であるJEALはオープンアクセスで全文公開されているので、これもぜひおすすめです。
 これで勉強していただいて、のちのち、本書を大きく踏み越えるような2冊目がどなたかの手によって執筆されてくれれば、・・・・・・計 画 通 り w


posted by jbsblog at 19:59| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

〈feedback〉Q.翻訳/電子書籍化の予定は?

Q.
 翻訳の予定はありますか?
A.
 よく言われるんですが、いまのところありません。やってみるとおもしろいかなとも思うのですが、本書の趣旨として「日本から海外への提供・発信のため、国内に広く援軍を求める」というあれなので、英訳はそれほど優先すべき事柄というわけではないということになります。

Q.
 電子書籍化の予定はありますか?
A.
 これは、本書の趣旨上からも是々非々で、と思い、出版社の方に鋭意取り組んでいただいているところなのですが、販売ルートがいまいちという状態のようです。詳細は↓に言及があります。
 http://d.hatena.ne.jp/min2-fly/20120715/1342367501

posted by jbsblog at 19:13| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

〈feedback〉Y.Oさんからのfeedbackあれこれ

(指摘)
・優れた例・大規模図書館の例などばかりを紹介することで、通常規模・中小規模の図書館を萎縮させてしまわないだろうか。悩み・問題点の共有・可視化がうまくできていないのではないか。
・インストラクション、授業、ガイダンス等、それぞれの違いが不明。
・各大学で蔵書○万冊という数字について、いまいちイメージがつかめない。例えば国内の図書館などの参照が必要では。
・「ワンパーソン・ライブラリー」の説明がおかしい。(p83)
・Google Books Ngram Viewer について。おもしろいが危険。縦軸の%は誤差の範囲ではないか。
・歴史の概説での典拠・根拠がない。
・CJK専用キーボードなど、想像がつきにくいものには画像があるとよい。(江上註:参考文献には画像があったりします。)
・ILL件数の”輸出入”のバランスについて。海外・日本間のケースだけではなく、例えば海外・韓国間などの例と比較しないと。
・”クール・ジャパン”と図書館でのニーズとの間の経緯が書かれていないのではないか。

(感想)
・参考文献が豊富なので(教員として)学生に紹介しやすい。
・課題図書にできる価格設定でありがたい。
・ILLなど実務についての説明がわかりやすく、そのまま司書課程講義で読み上げても理解されるだろう。(江上註:そりゃそうです、実際に講義で言ってるようなことを書いたわけですからw)
・研究論文などにありがちな”過剰防衛”がない。(江上註:この評価は意外でした。むしろ逆に”言い訳ばかり”と言われるんじゃないかって思ってました。)
・地方史を海外で行なうことの難しさや、日本語がわからない人からの日本語資料へのニーズなど、言われてみれば確かにありえることだと思った。
・ライブラリアンのコミュニティについて、形成過程をもっと知りたい。日本の場合、小規模の勉強会は多くても、分散していたり大きな団体に収斂するような動きがない。
・海外からの日本研究の退潮傾向は、日本における学術研究そのものの衰退傾向と関係するか。
・デジタル化された日本語資料の発信が少ない、という話は、機関リポジトリやオープンアクセス運動への援護射撃となるのではないか。また、単にPDFなどのデジタル化に終わるのではなく、機械翻訳や英文抄録の電子化などの仕組みをそこに加えることによって、”登山口の整備”ができるのではないか。日本語抄録でも機械翻訳できるかたちにしておけばなんとかなるのでは。
・機関リポジトリやオープンアクセスの日本語コンテンツへの、海外からのアクセス状況について。
・ILLについて。確かにコレクションが潤沢でない図書館のほうが、(ILL等を駆使して)「うちはなんでも届ける」というところがある。
・日本製データベースがCD-ROMのかたちで提供されがちなのはなぜだろうか。
・あとがきはずるい。
posted by jbsblog at 18:49| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

〈feedback〉Q.この本の”耐用年数”は? & 具体的提言がないのでは?


Q1.
 この本の”耐用年数”はどのように考えているか? 現在だけを切り取ったものなのか、だとしたら数年経てば内容的に古くなるのでは?
Q2.
 将来に向けてどのようなことをしたらいいか、という、具体的な行動の指針が示されていないのではないか? 
(Y・Oさん)

A.
 確かにこの2点は、執筆しながら常に気になっていたところではあります。

 各館の実態調査としては、できる限り”執筆している現在”に直近のことを書けるようにしたいと考えていました。アメリカ・台湾の例は本書執筆のための調査でしたし、ヨーロッパではもっとも直近に調査したフランスを選びました。ただそれでも、執筆時や発売時には大きく事情がちがってしまっているところもあります。
 各論・各テーマごとの話についても、”現在”から古すぎることのないよう、おおむね最近10年間くらい(加えて、そのことを説明するために必要な過去の経緯を含む)に焦点をあてて取り上げたつもりです。

 ただもちろん、それだけだと”現在”を書いただけなので、数年経てば古くなります。ですので、ここが難しかったのですが、数年から10数年経って読まれたとしても、共通して通用するような、共通して興味を持ってもらえるような視点・切り口・見解を、なんとか選んで言及してみたつもりです。”対象”は”現在”のそれでも、導き出せるものは”現在”に限らないはず。それがうまくいったかいかなかったかはまた別問題ですが。
 例えば「Googleカレンダーを使ってることがいいことなんだ」ではなく、「そのように多くの人が使っているツールで情報を流してつなげようとしている、その姿勢にヒントを求めたい」だったり。「クールジャパン政策の個々がどうなのか」ではなく、「世界全体のそういう動きによって何が得られるのか、得るべきなのか」のほうだったり。「GIFをどうすべきか」ではなく、「システム外であっても柔軟に」であったり。

 できるだけ広くたくさんの”援軍”がほしいと言ってる以上、どの国・地域でも、どの分野でも、どの業種でも、そしてどの時局・時代でもある程度共通して通用するような話題を引き出すようにしなきゃな、とは意識していました。そう、だから克服すべきは”耐用年数”ばかりじゃなく、業種や分野や国の壁もまた、だったりするわけです。たとえ現在やここ10年のことを直接の対象としていても、たとえ図書館のニッチな話題ばかりであっても、たとえ北米・欧州ばかりが登場してても、そこから学べること・得られること・参考にできることたちは、共通して通用することでありますように。
 うまくいったかいかなかったかは別問題です。ていうか、うまくいってないにちがいないので、それは謝ります。

 というのが「具体的な行動の指針が書かれていない」ことにもつながってきます。要するに、具体的な提言を書こうとすると、どうしても陳腐で耐用年数の極端に短いものしか、ひねりだせそうになかった。というのが言い訳のひとつです。
 本書260pにもそれは言及してあって、「Twitter やスマートフォンを使った情報発信のコツを紹介することはある意味簡単でしょうが、残念ながら5年後10年後どころか、1 年後、いや、本書が印刷されてみなさんの手に届くまでの間に、我々をとりまく環境はまた変わってしまっていることでしょう。」、ということになります。

 ということで、共通して通用するようなことを主に考えていると、結果、抽象的なものの言い方に終始してしまっている、ということはあると思います。
 で、じゃあ具体的かつ当面の短期的なことには言及しないのか、となると、要は”図書”だから”耐用年数”が云々問われるのであって、そういったことは図書ではなくブログで、twitterで、口頭のプレゼンなりで、その場・その時代・その相手に合わせたことに言及していけばいい、っていう。

 そうです。そもそもわたしは、本書で扱った話題・問題を、本書ひとつだけで完結させようなんていうつもりは毛頭ないわけです。

 この話題・問題について、時間的に今後の中期長期にわたってつらつらながながと、メディア的には図書出版で完結なんかするわけなく、自分がこれまでやってきたようにブログ・Twitterや会議・集会、研究会・勉強会、できれば「ラジオ」なんかでだって、やっていきたいし、やってかなきゃなあ、って。

 そう考えれば、まああれです、図書は図書なりのそこそこの耐用年数であっても、それはそれでいいんじゃないかな、って思います。

posted by jbsblog at 18:41| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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