2012年08月01日

〈feedback〉Q.この本の”耐用年数”は? & 具体的提言がないのでは?


Q1.
 この本の”耐用年数”はどのように考えているか? 現在だけを切り取ったものなのか、だとしたら数年経てば内容的に古くなるのでは?
Q2.
 将来に向けてどのようなことをしたらいいか、という、具体的な行動の指針が示されていないのではないか? 
(Y・Oさん)

A.
 確かにこの2点は、執筆しながら常に気になっていたところではあります。

 各館の実態調査としては、できる限り”執筆している現在”に直近のことを書けるようにしたいと考えていました。アメリカ・台湾の例は本書執筆のための調査でしたし、ヨーロッパではもっとも直近に調査したフランスを選びました。ただそれでも、執筆時や発売時には大きく事情がちがってしまっているところもあります。
 各論・各テーマごとの話についても、”現在”から古すぎることのないよう、おおむね最近10年間くらい(加えて、そのことを説明するために必要な過去の経緯を含む)に焦点をあてて取り上げたつもりです。

 ただもちろん、それだけだと”現在”を書いただけなので、数年経てば古くなります。ですので、ここが難しかったのですが、数年から10数年経って読まれたとしても、共通して通用するような、共通して興味を持ってもらえるような視点・切り口・見解を、なんとか選んで言及してみたつもりです。”対象”は”現在”のそれでも、導き出せるものは”現在”に限らないはず。それがうまくいったかいかなかったかはまた別問題ですが。
 例えば「Googleカレンダーを使ってることがいいことなんだ」ではなく、「そのように多くの人が使っているツールで情報を流してつなげようとしている、その姿勢にヒントを求めたい」だったり。「クールジャパン政策の個々がどうなのか」ではなく、「世界全体のそういう動きによって何が得られるのか、得るべきなのか」のほうだったり。「GIFをどうすべきか」ではなく、「システム外であっても柔軟に」であったり。

 できるだけ広くたくさんの”援軍”がほしいと言ってる以上、どの国・地域でも、どの分野でも、どの業種でも、そしてどの時局・時代でもある程度共通して通用するような話題を引き出すようにしなきゃな、とは意識していました。そう、だから克服すべきは”耐用年数”ばかりじゃなく、業種や分野や国の壁もまた、だったりするわけです。たとえ現在やここ10年のことを直接の対象としていても、たとえ図書館のニッチな話題ばかりであっても、たとえ北米・欧州ばかりが登場してても、そこから学べること・得られること・参考にできることたちは、共通して通用することでありますように。
 うまくいったかいかなかったかは別問題です。ていうか、うまくいってないにちがいないので、それは謝ります。

 というのが「具体的な行動の指針が書かれていない」ことにもつながってきます。要するに、具体的な提言を書こうとすると、どうしても陳腐で耐用年数の極端に短いものしか、ひねりだせそうになかった。というのが言い訳のひとつです。
 本書260pにもそれは言及してあって、「Twitter やスマートフォンを使った情報発信のコツを紹介することはある意味簡単でしょうが、残念ながら5年後10年後どころか、1 年後、いや、本書が印刷されてみなさんの手に届くまでの間に、我々をとりまく環境はまた変わってしまっていることでしょう。」、ということになります。

 ということで、共通して通用するようなことを主に考えていると、結果、抽象的なものの言い方に終始してしまっている、ということはあると思います。
 で、じゃあ具体的かつ当面の短期的なことには言及しないのか、となると、要は”図書”だから”耐用年数”が云々問われるのであって、そういったことは図書ではなくブログで、twitterで、口頭のプレゼンなりで、その場・その時代・その相手に合わせたことに言及していけばいい、っていう。

 そうです。そもそもわたしは、本書で扱った話題・問題を、本書ひとつだけで完結させようなんていうつもりは毛頭ないわけです。

 この話題・問題について、時間的に今後の中期長期にわたってつらつらながながと、メディア的には図書出版で完結なんかするわけなく、自分がこれまでやってきたようにブログ・Twitterや会議・集会、研究会・勉強会、できれば「ラジオ」なんかでだって、やっていきたいし、やってかなきゃなあ、って。

 そう考えれば、まああれです、図書は図書なりのそこそこの耐用年数であっても、それはそれでいいんじゃないかな、って思います。

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posted by jbsblog at 18:41| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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