2012年07月03日

〈feedback〉Q.事例紹介ではなぜその国・図書館を選んだ? マイナス面への言及は?

 勉強会やtwitterなどでいただいた〈feedback〉の中でも、質問にあたるものは、できる範囲で↓こんなふうに自分なりにお答えしてみようと思っています。

 いきなりですが、↓この話はこうやって書いちゃっていいものかどうかちょっと迷いますね・・・(笑)。

Q.
 第2章・事例紹介でとりあげられている図書館は、それぞれどのような理由で選んだ? 例えば、優れた例やうまくいっている例だけを紹介するのではなく、悩みや問題点は挙げられないか? (Y・Oさん)

A.
 選び方は、正直なところ、執筆時での調べやすさ、書きやすさといったものに左右されました。それは否定できません。
 まず、北米・ヨーロッパ・アジアから1国づつ、ということを決めて、日本研究がもっとも盛んで蔵書も多いアメリカからは2例くらいは詳細に紹介しよう、と考えました。アメリカの事例については、執筆時(2011年)にあらためて最新の状態を取材しに行く必要があったので、それまでまだ行ったことがなくて、前々から行きたかったところ、知人がいるところ、そしてできれば事情に差が出るよう、東海岸と西海岸でひとつづつ、規模も同程度ではないようなところを選びました。
 ヨーロッパでは、執筆の前年(2010年)にフランスの各図書館を訪問して報告論文を1本発表していたので、あらためて取材する必要がないということで、そのまま採用しました。また、アジアからどこか1例は必要と思っていたのですが、期限間近でほとんど時間がなかったので、あまり大きくなくて全体の概観がしやすく、その中でも1都市を訪問すれば取材できるくらいの規模のところで、しかも短期間(2泊3日程度)で旅行しやすく、文献を集めやすく、理解できなくてもある程度は読める、という意味で、繁体字の台湾を選びました。その中から、急いでメールを出してスムーズに返事をいただけたところに行った、というのが事情です。

 もちろん、取材の中で問題点やマイナス面についても少なからず知ることになりました。ただ、それをそのまま問題である、マイナスであるというふうに率直に書くことは、お世話になった相手のあることでもあり、なかなか難しいというのが正直なところです。それは本書の執筆に限ったことではなく、日常的なブログやtwitterやその他報告記事での言及の際も、また、かつてわたしがハーバード大学の長期滞在研修の際に報告のブログを書いていたときにも、常々感じている(いた)ことです。(参照:HVU大反省大会--と、日記には書いておこう。: HVUday http://hvuday.seesaa.net/article/106483691.html

 そして、どうしてもそれをそのまま率直に有り体に書かなければ、本書の目的はまっとうできないか、と言うと、それもまたちがうんじゃないかと思うんです。

 第2章の訪問先に限らず、いろいろなところでうかがった問題点やマイナス面については、固有名詞を出さず、こんなことをきいたこともありました、のような曖昧な書き方で紹介したりしています。それはもちろん正確さに欠ける出し方ですし、それによって失うものも何かしらあるでしょう。が、本書の目的から言えば、情報そのものよりも、その経緯や背景にあるもの、それぞれの立場の人びとの思いについて、読む方に理解し考えていただくことこそが重要だと思います。という考えから、曖昧なところがあるにもせよ、問題の所在やその周辺について理解できるような書き方、が、できてれば、いいなあ、と。
 もちろんわたし自身もそれがまったくおかしくないとは思いませんし、迷うところです。ただどっちにしろ、そう書いた責任はわたしにある、ということで。

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posted by jbsblog at 22:18| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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